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2020/11/08 11:30

こんにちは。


高知県の自家焙煎珈琲店 「焙煎香房・古具 庵」 代表の柴田と申します。


当店では、焙煎前に水洗いして、乾燥させるという作業を行っています。


豆の水洗いについては我々事業者も賛否が分かれるところですが、当店は「絶対にした方がいい!」と考えています。


当店の焙煎過程をご紹介しつつ、その根拠をお話しさせていただきます。よろしくお願いします。




まずは計量です。当店は1kg半熱風式焙煎機を使っています。今回は800g焙煎します。



計量した豆を水につけます。後のことを考えて、ボウルの上にザルを置いています。



1分強おいて、お米を研ぐ感覚で豆をしっかり洗うと上のような状態になります。

コーヒー豆は汚れているのです。そしてこの汚れを落とすために、焙煎前にコーヒー豆を必ずあります。

そしていろいろな種類の豆を洗うと分かりますが、実は豆の種類によって水の濁り方が全く違います。ブルーマウンテンやマンデリンは洗っても「あまり」濁りません。…濁らない、とは書かないでおきます笑



大体3回ほどすすぐと、このように水が濁らなくなります。丁寧かつスピーディーな作業が大事です。



さてここからが非常に大事です。洗った直後の豆は水分を含みますので、洗う前より重くなります。

今回は905gになっていますので、約100gの水を吸ったことになります。この吸った水を外に出す工程が、乾燥です。



バットの上にタオルを敷いて、その上に均一に豆を敷きます。



ぐるぐる巻きにして効率よく豆表面の水分を吸った後…



このように天日干しします。横には先程洗いで使用した、洗浄済みのボウルとザル。

秋冬は乾燥させやすいですが、均一に乾燥するよう数十分おきに豆を撹拌します。

夏は高知県は日差しが強いので、特に注意が必要です。均一に乾燥するよう数十分おきに豆を撹拌します。

時間経過ごとの重量変化を見ていきましょう。





862g→834g→815g→807gと、だんだん軽くなっています。

湿度も程よい秋の晴天でしたが、ここまで乾燥させるのに2時間以上かかりました。

大体815gあたり位から焙煎機に余熱をかけ始め、また豆を室内に戻し、室内温度に合わせます。


 800gより減ってる…のですが、これでいいのです。

乾燥の最中、欠点豆を取り除く作業を数回に分けて行っているので、最初よりも重量が減ります。

また洗いによって豆表面の薄皮(チャフ)も剥がれますので、これも減る要因となりますね。

さて、これで乾燥も終わって、いよいよ焙煎です!


強火でしっかりふっくら焼き上げます。この豆は当店の基準でいうと少し深めの煎り具合です。

洗われていないコーヒとの差は、コーヒーが冷めたときにはっきり分かります。

洗われたコーヒーは冷めるとより個性が際立って感じられるようになります。これは実際に飲むと本当によくわかります。


冷めたらまずくなるコーヒーより、冷めたら個性がなお引き立つコーヒーの方が、私は好きです。

だから、お客様にご提供するコーヒーは全て丁寧に洗い、乾燥させ、焙煎するのです。


洗うとコクが抜ける、味が抜けるというのは、そのコーヒーの個性がスッキリ分かりやすくなるということで、決して適切な表現ではないと考えています。


洗うとエグミが出る、渋くなる、というのは、乾燥工程に原因があると思います。



そんなにいうなら一度試してみたいな…とお考えいただきました方は、ぜひ当店のコーヒーをお試しください。

11月に新豆が届いたブラジルとコロンビアの、「王道コーヒーセット」が今イチオシです!

南米のコーヒー大国コンビですが、風味は全く異なります。ブラジルはマイルドな苦味、コロンビアはしっかりした酸味が

特徴的です。

かなり長い投稿になってしまいましたが、ここまでご一読いただきありがとうございました!





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